税理士と社労士のダブルライセンス事務所
小川会計事務所・小川労務事務所
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勤務時間の丸め処理とは、実際の労働時間に生じた端数を一定の単位で切り捨てたり、切り上げたりする処理をいいます。
例えば次のような運用です。
給与計算や勤怠集計の負担を軽減する目的で行われることがありますが、労働時間の取り扱いによっては法的な問題が生じます。
労働基準法第24条では、労働者に対して賃金を全額支払うことが義務付けられています。
そのため、実際に働いた時間を一律に切り捨て、その時間分の賃金を支払わない運用は、「賃金全額払の原則」に反する可能性があります。
例えば、
といった運用は注意が必要です。
厚生労働省も、日々の労働時間について一律に端数を切り捨てる取扱いは労働基準法違反になると示しています。
そのため、
といった運用は原則として認められません。
勤務時間の丸め処理は全面的に禁止されているわけではありません。
行政通達では、時間外労働・休日労働・深夜労働の各時間数について、1か月間の合計時間を算出した後に端数処理を行うことが認められています。
具体的には、
という処理です。
例えば、
として計算することができます。
ただし、この取扱いはあくまで「1か月間の合計時間」に対するものです。
日々の労働時間について、
といった運用は認められていません。
労働時間は原則として実労働時間に基づき1分単位で把握・計算しなければなりません。そのため、日々の労働時間を一律に切り捨てる運用は未払い賃金につながるリスクがあります。
実際に、医療機関が時間外労働のうち15分未満を切り捨てていた事案では、未払い賃金が争われ、実労働時間に基づく賃金支払いの重要性が問題となりました。
また、大手企業でも次のような是正事例が発生しています。
このように、「数分程度だから問題ない」という考え方は危険です。わずかな端数処理であっても、従業員数や運用期間によっては多額の未払い賃金につながる可能性があります。
以下のような運用がある場合は、一度見直しをおすすめします。
勤怠管理システムの設定によっては、担当者が気付かないまま不適切な運用になっているケースも少なくありません。
勤務時間の丸め処理については、
という点を押さえておくことが重要です。
「自社の勤怠管理は問題ないだろう」と思っていても、システム設定や運用ルールを確認すると改善が必要なケースが少なくありません。
勤怠管理や給与計算のルールに不安がある場合は、税理士・社会保険労務士へ相談し、早めにチェックしておくことをおすすめします。
ここではよくあるご質問をご紹介します。
「5分未満だから切り捨てる」「15分未満は残業として認めない」といった運用は、実際に働いた時間に対する賃金が支払われないため、未払い賃金と判断される可能性があります。
例えば、出勤時刻や退勤時刻を15分単位で機械的に丸める運用は、実労働時間と異なる労働時間を記録することになり、未払い賃金のリスクがあります。
時間外労働・休日労働・深夜労働について、1か月間の合計時間数を算出した後に、
という処理は行政通達で認められています。
ただし、日々の労働時間に対して同様の処理を行うことは認められていません。
システム設定による自動処理であっても、結果として実際の労働時間より短く計算されている場合は、未払い賃金の問題が発生する可能性があります。実際に、大手企業でも勤怠システムの設定が原因で是正勧告を受けた事例があります。
などが挙げられます。
日々の数分の積み重ねでも、多数の従業員や長期間の運用によって大きな金額になることがあるため注意が必要です。
を確認しましょう。
特に「○分未満切り捨て」や「15分単位で集計」といったルールがある場合は、一度専門家へ相談し、法令に沿った運用になっているかチェックすることをおすすめします。
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